亀吉の桜
なんか。



僕、

やっぱり100年
生きてみようかな。



陽一君の分も。


桜を毎年

見続けてみようかな。



だって、

桜が咲くと、

僕は一人だとは

とても思えないんだ。



ねぇ。

陽一君。



僕が

陽一君を
死なせてしまった
原因を作ったけど、


僕は
陽一君と
生きたいよ。



だから、

陽一君のような


この桜を
毎年見ながら


僕は
陽一君と
生きていこうと
思う。



生きながら、
陽一君の桜に
毎日
「ごめんね」

「ありがとう」を


繰り返し
語りかけるよ。


そして



春が
来るたびに



僕は


陽一君に


言うよ。











「お帰り」
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