つ ば さ

お礼を言うより先に、松田先生は校舎のなかへ消えてしまった。

ヤバい、緊張してきた。



中島先生は、すごく信頼できる先生だけど…厳しさの塊みたいな人だ。
正直苦手な部類の人なんだよな。





「あ、田中くん。
もうしばらくしたら、中島先生見えられるから。私は帰るね。」

「はい。なんか、ありがとうございました。」

「いいのよ。また来てね。」




そう言って、松田先生は駐車場の方に歩いていってしまった。

20代後半なのにだいぶ幼く見える先生も、実は結婚しているらしい。…ちょっと意外だ。


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