つ ば さ
っていうか、卒業して半年以上経ってから後悔したり…陸上生活4年目にしてやっと目が覚めたり…
俺トロいよ。ダサダサじゃん。
「…何ひとりで百面相してんだ?大丈夫か?」
「だ、大丈夫っす。」
あぁ、中島先生に笑われちまった。けど、笑った顔を初めて見た気がした。
中学の頃はロボットか何かだと、本気で信じてたくらいだし…。
「いい顔してる。高校でいい仲間に出会えたみたいだし、心配なさそうだな。
さ、もう遅いから帰れ。」
「あ、…はい。中島先生さようなら。また来ます。」
「待ってる。気を付けろ。」
空には明るい上弦の月。
穏やかな気持ちの俺を、ほのかに照らしていた。