つ ば さ

意外な言葉だった。

まさか、あの巧が謝るなんて思ってもみなかった事だったから。





「俺、由里香に頼りっぱなしのくせして偉そうに選手してて…。
バカだから気がつけなくて、あんなこと言わせて…
とにかく全部ごめん!」





本当に、バカ。

何が言いたいのかよくわからなかったじゃんよ。
しかも“全部ごめん!”って…。



なにやら必死すぎる巧がおかしくて、思わず笑ってしまった。





「…ぷ、くっくくくく。
何が言いたいのか全然理解できないんですけど。」

「あ、うん。だから、全部ごめんなんだよ。」

「まったく…。
まぁいいや。あたしもひどい事言っちゃってゴメン。別に本気じゃないからね?」

「それくらい分かる。」

「そ?ならいいけど。」


< 136 / 215 >

この作品をシェア

pagetop