つ ば さ

「…なんでだろうね。」



5センチってきっと大きくて、私にとっては指一本くらいにしか思わないけど、選手にとっては目の前にはばかる大きな壁なんだろう。

大したことないとか言えちゃうのはただ知らないから。



「なんで…ですかね。」



ふと思った。



綾人はもしかしたら分かっているのかもしれない。

それで気に病んでいるのかもしれない。

一生懸命綾人なりに戦っているのかもしれない。

…私が邪魔をしたらいけないのかもしれない。


< 166 / 215 >

この作品をシェア

pagetop