つ ば さ
「…なんでだろうね。」
5センチってきっと大きくて、私にとっては指一本くらいにしか思わないけど、選手にとっては目の前にはばかる大きな壁なんだろう。
大したことないとか言えちゃうのはただ知らないから。
「なんで…ですかね。」
ふと思った。
綾人はもしかしたら分かっているのかもしれない。
それで気に病んでいるのかもしれない。
一生懸命綾人なりに戦っているのかもしれない。
…私が邪魔をしたらいけないのかもしれない。