つ ば さ
*.YURIKA
先輩たちが引退してから、ずいぶんと時間は流れていたみたいで。
3人での活動にも慣れた。
「ラップ頼む。」
「はい。」
巧と綾人くんは専攻が違うから基本的には一緒に練習はしない。
5000mと走り高跳びじゃね。
さすがに同じメニューってわけにもいかないから。
「由里香先輩、ハードルってどこにありますか?」
「体育科倉庫の左奥よ。」
「ありがとうございます。」
綾人くんには申し訳なさすぎるのだが、うちに走り高跳びのセットはない。
だから、脚力強化のために、最近は体育科のハードルを借りて練習している。