つ ば さ

印象に残っているのはその時の綾人くんの表情だった。





悔しくて泣いているのかと思ったその顔は、ただ呆然と夢でも見ているような…



現実を受け入れられていない顔。



感情のなさそうなその顔に私は驚いてしばらく見ていたら、綾人くん、急に下唇を強く噛んだんだ。



悔しそうに、顔を歪めて。


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