日本女児VS肉食獣
「………海原 灑牙(カイバラ サイガ)」
印象は、茶色のくりくりな瞳に、柔らかそうな猫毛の髪。
そして八重歯。
あまり高くない身長。
まさに、可愛い系だ。
「なんか…名前でも負けた気がすんだけど…俺」
「確かに…かっけぇな」
ボソボソと男子が呟く。
ほんと、名前かっこいい。
「海原〜っ、なんかほかにも言え〜?」
担任は苦笑いしながら、海原くんの背中をポンッと叩いた。
「……何もないから。いいです」
無表情…っていうか、ムスッとしてる。
多分、皆からの『可愛い』がダメだったんだろう。
「ははっ、最近の若い奴は…あんまり愛想よくないんだなぁ…これがモテる秘訣なのかぁ?」
今、ちょっと空気読めてない気がするけど、やるときはやってくれる先生だと、僕は思う。
…………多分。