好きの瞬間
その光景を笑って見ていると肩をトントンと叩かれた。
だから振り返った。すると
「引っかかった。」
と言われた。
「…美波…」
「どうした、ゆいたん?」
なんてふざけて言ってくる。
この子の名前は白川 美波。見た目は大人しいのに中身はこんなの。本当に変。
ここは変な人の集まりみたい。
その中に入ってる私も変な人ってことだけど。
「ゆいたん言うな、みなみん。」
「じゃあ、みなみんも言わないで。」
そう言う美波。
でもね、美波がゆいたんって呼ぶ限り私もみなみんって呼ぶもんねーだ。
「美波、唯のことからかうの止めてやれよ。」
この声もいつものこと。
で、この声の持ち主は学校1の秀才くんの要 陸斗。
「陸斗うるさいわよ。少しは黙れ馬鹿が。」
「は?お前が黙れよ、糞が。別に?今殺ってやってもいいけど。あ?」
「はぁ?この美波様を殺れるとでも?馬鹿野郎が。」
美波と陸斗が言い合いしてる。
この2人は元ヤンだから喧嘩が…いや、口喧嘩が半端ない。
しかも、普通の喧嘩だったらどうなるのか…
「はい、やめようか。」
と潤が止める。
これもいつものこと。
『チッ…』
2人の舌打ちが重なるのもいつものことなんだ。