嘘の愛に溺れて
当たり前だけど見覚えがある。
同じクラスで昨日私に宏樹が呼んでると伝えに来た張本人。
神山 春樹。
宏樹の唯一心を開いてる親友として有名。
女子からは第2の王子と呼ばれる。
明るく誰にでも優しい事から、男女問わず人気がある。
でも、おてんば過ぎる一面も多々。
「おめでとな。」
「あ、ありがとうっ!」
突然の祝福の言葉に嬉しさを隠せなかった。
「あいつ、不器用だから…気長によろしく頼むわ。」
まるで保護者みたいだ。
「お前は俺の保護者かよ…。」
後ろから頭をかきながら現れた宏樹。突然の登場に心臓が爆発しそうだ。
宏樹と同じことを思っていたのにも嬉しさを感じる。
こんな些細なことで喜ぶなんて…私ってバカ??
それからは3人で些細な話をした。
この二人に囲まれる日が来るなんてっ!そんな気持ちでずっとドキドキしてる…。
「コーラ、飲む??」
「あ、ありがとう!」
「別に…。コイツのせいで間違えたから…。」
そう言われながら指を指された春樹クンはアハハ…と苦笑いをしている。