嘘の愛に溺れて
嘘2
宏樹 side
あれから一週間程が過ぎた。
俺たちは何の変わりもなく普通に付き合っている。
今日は初めての休日デート…というやつだ。
別にいつも通り半袖にジーパン。
春樹に土産で貰ったドクロのネックレス。
何故か沖縄に行ったのにわざわざドクロのネックレス…。
普通なら、サーターアンダギーや、ちんすこう、沖縄ソバ、シーサーの小物とか…そう言うものだと思う…。
これを見るたび、春樹の考えていることが分からないと、つくづく思う。
でもまぁ…気に入っているし、俺の私服にはベストマッチ。
付けない理由もないし、よくワンポイントとして付けている。
宏樹の私服は程よくついた筋肉を綺麗に引き立てていた。
待ち合わせの時間まで後30分。ここから普通に歩いて15分かかる。
春樹曰く、男は(特に初デートは)早めにいかなくてはいけないらしい。
俺にはその心理が少しも理解できない。
薄い財布とケータイだけをもって、俺は家を出た。