1年前の遠い春
「大丈夫??」
男の子に声をかけられて
我にかえる。


「うん、ごめんなっ」
なぜか緊張して

たどたどしい日本語が
こぼれた。


「俺もボーっとしててごめんやで。」


生活の中で、あまり男の子と
関わらないあたしは
必要以上に緊張していた。
だって、見れば見るほど
かっこいいかも・・・。

照れから、急いでその場を
去ろうとした時


「あーー!!」


手を開くと10円玉はなくて。


きづくとあたしは
叫んでいた。
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