恋春


私は得意気に言った。



「だって…つまらないでしょ?」


「は?」


「いつも可愛いより

時々可愛い方がいいでしょ」



先輩はため息をついた。



「黙ってて」



私の制服に手が触れる。



ビクッ…



体が反応した。



「体は素直だな」



先輩は意地悪く笑った。



「…意地悪…」



絵の具のほのかな匂いにゆっくり目をつぶった。



< 123 / 177 >

この作品をシェア

pagetop