恋春


「…ハル…ぁりがとう」



朝奈が俺に言った。



逆光で顔は見えないが笑っているようだった。



「…なにもしてないよ」


「ううん。そんなことなぃ…。ハルがいてよかった」



ドキ…



朝奈の優しい声が俺に響いた。



…もしかしてコレ…



…恋…?



そんな言葉が脳裏を過った。



「あさ…」



―恋とかするなよ?



…両親の言葉が思い出された。


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