貴様!何様?会長様!?
そう思い、反射的に固く目をつぶった。
だけど次の瞬間、ぶつかったのは…
「!!」
顔なんかじゃなくて、私は目を見開いた。
視界いっぱいに広がる肌色と。
提灯の明かりで出来た、睫毛の影。
こそばゆく当たる、自分のじゃない柔らかい髪の毛。
「あぁーー!!ちょっと零くん!何やってんのさ?!」
すっごく驚いた、咲先輩の声。
「きゃーきゃー!!なんでそこ盛り上がってる訳?!」
興奮気味に叫ぶ、渚先輩。
「おい零、お前なぁ…」
呆れたように息を吐く、克也先輩。
「か、会長…!!」
それ以上何も言えないような、小橋先輩の声。
「………」
ひとり何も言わなかった、斎藤先輩。