貴様!何様?会長様!?
(( 零*side ))
桜の花びらが風で舞う。
それを静かに見つめ、ついさっきまでここにいたヤツを思い出す。
あの壁を、飛び越えれたか。
「……猫、だな」
謝ったり名乗れと言ったり、礼を言ったり。
猫にしては少し騒がしい。
「あ、いたいた、零!」
そろそろ克也が呼びに来る頃だと予想していた俺は、聞こえないふりして寝続ける。
「もう式始まんだよ。早く起きてくれよ」
「………。」
入学式なんて、俺には関係ない。
挨拶の時だけ出ていけばいいだろ。
「ちょっと零!お前が行かなきゃ俺も怒られるんだよ!!」
………うるさい。
いつもいつも、俺の耳元で。
「あーもー分かった分かった。行きゃいんだろ…」
怠い体で渋々立ち上がり、体育館へ向かった。