貴様!何様?会長様!?
俺は席を立ち、吉野に近づく。
「お前、逃げる気か?」
「ちが…っ」
俺は吉野を壁際まで追い詰める。
それ以上逃げれなくなった吉野は、俯いてしまった。
髪の毛で顔が隠れて、表情なんて見えやしない。
「……零、会長が…」
???
俺がなに?
「零会長が、変なコトばっかするから…!」
変なコトって、俺がいつお前になにをした?
「何の話しだ」
「…やっぱり、酔った勢いですか?」
……は?
酔った勢い?
ますます訳が分からない。
「零会長にとったら日常茶飯事で、どーでもいい事かもしれないですけど。わ、私にとっては一大事なんですよっ!」
相変わらず顔を上げない吉野が、声を少し大きくして言う。