貴様!何様?会長様!?
沢口なら、吉野にちょっかい出すと思っていた。
分かってた、こうなるだろうと。
だから嫌なんだよ。
吉野と沢口を近づけるの。
来年は、何としてでも沢口を吉野の担任から外してやる。
「生徒に何しようが勝手だが、人のもんに手出すんじゃねーよ」
俺は沢口に背を向け、吉野の手首を掴んだまま教室を出た。
「………」
腹が立つ。
アイツは昔からああだった。
女好きの遊び人で、やたら俺にちょっかいを出す。
ヘラヘラ愛想ばかり振り撒いて。
そのせいで、周りにはいつも人がいた。
吉野に近付くのも、俺への当て付けだろう。
吉野が気に入ったんじゃなくて、俺から奪ってやりたいだけだ。