貴様!何様?会長様!?
(( 華奈*side ))
沢口先生をひとり教室に残し、私は零会長に腕を引っ張られている。
どこまで行くんだろう…?
掴む力が強くて、手首が少し痛い。
前を歩く零会長はさっきから無言だし、なんだか怖い。
怒ってるのかな?
私がいきなり、生徒会室飛び出したりしたから。
…おまけに頬を引っ掻いてきちゃったし。
零会長は、私を裏庭に連れて来た。
瞬間、手首が解放される。
「あ、あの…」
「お前さ」
「は、はい」
まるで、「口を開くな」とでも言っているかのようなタイミングで、零会長は言った。
私は零会長の背中を見つめる。
「なんで泣いた?」
……え。
な、なんで…?
予想外の零会長の言葉に、返す言葉が見つからない。