貴様!何様?会長様!?
メンバーが口々に言うなか、私は何も言えず、ただ顔がジワジワと熱くなるのを感じるだけだった。
それに比べて零会長は、涼しげな顔のままだ。
どーして赤くならないの?!
あの人に、“恥ずかしい”という感情はないのだろうか。
「ほんと珍しいよな。零から女の子に近付くの」
「確かに。いつもは寄ってくるからね」
克也先輩と渚先輩の会話の内容からして、零会長はすごくモテるという噂が、事実だということが分かる。
「零に近付いても、泣かされるだけなのにねぇ」
確かに、見た目だけなら騙されちゃうよ。(失礼発言)
強引だし、短気だし、仕事サボってるし、すぐ寝ちゃうし、三大冷の噂は本当だし。(ただの悪口)
「零くんはさー、華奈が好きなんだよな?」
さ、咲先輩っ、いきなりなにをっ?!