貴様!何様?会長様!?



もちろん俺は、何も考えていない。



これがいつもの事だ。



「―――生徒会長、2年A組染井零」



気が付けば俺の名が呼ばれている。



はぁ…行くか。



「零、普通にやれよ」



立ち上がった俺に、克也が小声で囁いた。



俺は1度だけ克也に視線をやり、ステージへと上がって行った。



「新入生の皆さん、御入学おめでとうございます―――」



適当な言葉を並べ、在り来りを喋っていく。



これはいつも俺がやっている事だ。



その場で瞬時に考え、それを口にする。



このくらい慣れれば簡単だ。



どーせ誰も聞いちゃいないんだし。



真面目にする必要もないし。



「最後に、新入生にお知らせがあります」



< 14 / 223 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop