貴様!何様?会長様!?
もちろん俺は、何も考えていない。
これがいつもの事だ。
「―――生徒会長、2年A組染井零」
気が付けば俺の名が呼ばれている。
はぁ…行くか。
「零、普通にやれよ」
立ち上がった俺に、克也が小声で囁いた。
俺は1度だけ克也に視線をやり、ステージへと上がって行った。
「新入生の皆さん、御入学おめでとうございます―――」
適当な言葉を並べ、在り来りを喋っていく。
これはいつも俺がやっている事だ。
その場で瞬時に考え、それを口にする。
このくらい慣れれば簡単だ。
どーせ誰も聞いちゃいないんだし。
真面目にする必要もないし。
「最後に、新入生にお知らせがあります」