貴様!何様?会長様!?
お知らせなんて予定にはないわけで。
克也とナギが、少し離れた席でビックリしているのが分かる。
ナギなんて、今にも立ち上がってステージに上がって来そうだ。
だけど俺は、そんなこといちいち気にはしない。
教師達も驚いてるみたいだけど。
「1年C組、吉野華奈」
俺は全校生徒に向かって、1人の名を呼んだ。
会場が少し、ざわついた。
「式が終わったらお前を捕まえに行く。逃げたら許さん」
それだけ言うと、俺はステージからおりた。
きっとこの後、克也とナギの説教だな。
教師は俺に逆らおうとしないし。
3年からも、とくに何かを言われたこともない。
克也とナギさえ抑えれば、問題はないだろ。
俺は舞台袖にある裏口から外に出て、裏庭へ直行する。