貴様!何様?会長様!?
「……あそ」
零会長の素っ気ない返事。
同時に離れる、あごを捕らえる手。
なんだかがっかりしてる私がいる。
もっと。
もっと止めてほしかった。
“やめとけ”って、言ってほしかった。
「…ま、俺には関係ない」
そんな言葉は、聞きたくなかった。
だけどそれが事実。
零会長にとっては関係ないこと。
唇を固く噛み締めた。
「…そうですよ」
ポツリと、小さく呟くように私は口を開く。
「私は零会長のモノでもない訳だし、会長には何の関係もないですよ…っ」
静かな印刷室に、私の声が響く。
こんな事を言っても、3冷の零会長には猫の鳴き声にしか聞こえないんだって。
分かっているはずなのに、言わずにはいられなかった。