貴様!何様?会長様!?
(( 零*side ))
「俺帰るから」
それだけ言って立ち去ろうとした俺の腕を、克也ががっちりと掴んだ。
「…なに」
不機嫌そうに睨む俺にも、克也はひるまない。
「そりゃこっちの台詞だ。なんでいきなり帰るんだよ?」
「…今日は気が乗らない」
全部、アイツのせいで。
「こんな時に、なに我が儘言ってんだよ?!」
こんな時だろうと我が儘だろうと、俺の気は乗らない。
文句言うなら、あの猫に言えばいい。
「とにかく帰る」
「おい零!」
「まーまー、いいじゃない克也」
また俺を止めようとした克也を、ナギがなだめるように制した。
「もうすぐ選挙だぞ、大丈夫かよ?」
「零ならなんとかなるんじゃないの~」
「なんとかってお前…!」