貴様!何様?会長様!?



ということは、嫌がらせの犯人?



「それにあんた、会長にまで気に入られてるらしいじゃん」

「ちょっと可愛いくらいで、いい御身分だよねー」

「沢ちゃんってさ、女の趣味悪い訳?」

「あ、言えてるそれ」

「ていうかまず、見る目ないね」



いつの間にか、私から沢口先生の話しになっている。



「だったらあの会長はもっと馬鹿じゃん?」

「こんなのの相手ばっかして、後で痛い目みんのよ」

「そうそう、沢ちゃんにコロっと、とかねー」

「あはは、かわいそー」

「てかさ、もうそうなってんじゃないの?」

「飼い犬に手を噛まれる、とかってね」



目の前で繰り広げられる、醜い会話。



耳障りな笑い声。



どうして人は、他人を悪く言わずにはいられないのだろう。



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