貴様!何様?会長様!?
「…ま、いいけど」
そう言いながら零会長は私の手を離し、水玉模様の傘を私に差し出した。
「え…?」
「これ、お前の」
通りで、見覚えあると思った。
だけど、この傘はあの雨の日誰かに盗まれたはず。
どうして零会長が持ってるんだろう?
そう聞こうと口を開きかけたが、零会長はすでに私に背を向けて歩き出していた。
「………」
私から、零会長が離れてく。
いや、もしかしたら私の方から離れてしまっているのかもしれない。
少なくとも、きっかけを作ってしまった。
さっき、零会長は確かに言った。
私は“生徒会のモノ”だと。
いつも“俺のモノ”だと言っていた零会長が。