貴様!何様?会長様!?
気が付けば、優しい笑顔で笑うオジサンがいた。
身なりは整ってるし、先生かな?
「…あの、なんで寂しいと?」
「あなたがずいぶんと、寂しそうな顔してたから」
そ、そんなつもりはなかったのに。
「なんだか、自分でも分からないんですけど、モヤモヤします。イガイガします。…寂しいです」
この感情の正体が分からない。
そしてその理由さえも、分からない。
「なんでそう思うのかも、分かりません」
「それは、みんな同じだよ」
「え?」
「分からないから、探すんだ。見つかるまで、いつまでも」
オジサンは優しい声でそう言った。
雰囲気が、誰かに似ている気がした。
「俺にも妻がいるんだけど。それはそれは怖い人なんだ」
そう話すオジサンの笑顔は、やっぱり優しくて柔らかかった。