貴様!何様?会長様!?
「零会長、お見事…でした」
なぜかたどたどしく口を開く吉野。
俺を探していたということは、何か言いたい事でもあったんじゃないのか。
「ふーん。お前体育館いたのか」
どこにいた?
生徒の列の中にはいなかったはず。
コイツを見逃すはずはないのに。
「はい。やっぱり桜華の会長は、零会長がいいなって思いました」
………?
なんでそんな顔をする?
「…だけど、皆が会長を認めてくれるのは嬉しいはずなのに。願ってたことなのに」
なんで今にも泣きそうなんだ?
「なぜか寂しくて。心臓が痛くて…分からなくて」
一生懸命に話す吉野に、俺は少しずつ近付いた。