貴様!何様?会長様!?
「泣いてくれないのか」
「へ?」
隣にいた零会長が、いきなり口を開く。
「な、泣きませんよ!」
「泣けよ。桜と一緒に愛でてやるから」
早咲きの桜が、ひらり舞い散った。
今年もまた、満開に咲いてくれるだろう。
「れ、零会長は、私の涙は嫌いなはず…にゃ?!」
その時はきっと、見届けよう。
「あ~~!!」
「やっぱりこいつら、最後までイチャこいてるじゃねーか!!」
「零くんと華奈は、人前でチュウしすぎだよな!」
「…盛んだな」
「ちょ、落ち着いてる場合ですかっ」
鬼会長に振り回された日々を、思い出しながら。
―――END―――