貴様!何様?会長様!?
私の感情なんて、まるで気にしていない。
「もう泣くのか」
次は、少し目を細めて楽しそうな口調で言う。
この人…!
「退学(やめ)るんなら、退学ればいい。いつでも退学させてやる」
きっと、この言葉は脅しなんかじゃなくて本気だ。
私が辞めれば、また次の人を探すのだろう。
私は顔を上げ、零会長を真っ直ぐに見つめた。
「俺を恨むか?」
同じくらい真っ直ぐ見つめ返しながら、零会長が私に尋ねる。
「いいえ、恨みません」
零会長を私が恨んだところで、私は何が得られるだろう。
「あなたは悪くない」
あの日、私がナミちゃんと離れ桜を見上げた瞬間にも、こうなる事が決まっていたのかもしれない。