貴様!何様?会長様!?



「でかい声を出すな。…お前のせいで目が覚めた」



すぐそこから声がする。



キョロキョロと視線を動かすと、案外私に近いベンチの上に、その人はいた。



顔に本を乗っけて、どうやらさっきまで寝ていたらしい。



本を片手で取り、その人は体を起こして私を見た。



「あ…あの、起こしてしまって、ごめんなさい」



取り合えず私はペコリと頭を下げて謝る。



「…なんでここにいる?」



少し驚いたみたいだったけど、すぐに眉間にしわを寄せて私に尋ねた。



「私、迷っちゃって…」



私、ここにいちゃまずかったのかな?



そもそもこの人は、なんでこんなところで眠っていたんだろう。



制服を着てるから桜華の生徒で間違いはないはずだけど。



普通生徒なら、入学式の準備とかしてるんじゃ?



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