貴様!何様?会長様!?
――――“グイッ”
「ぅにゃ…っ!?」
曲がり角を曲がった瞬間、首根っこを後ろから捕まえられた。
「足掻いても無駄だ。もうとっくに時間は過ぎてる」
「れ、零会長!」
私が通るのを待伏せていたのか。
それとも偶然居合わせただけなのか。
どちらにせよ、全力疾走している私を捕まえるなんて。
……すごい。
「…はい。大人しく草取りを…」
「それはもういい。取りあえず今は、猫の手も欲しんだよ」
早足の会長にひこずられながら、私は生徒会室へ。
――――“ガラッ”
ドアを開くと中はもう、バッタバタのグッチャグチャ。
「…………」
カチャカチャと一人机に向かい、電卓をすごい速さで打ち続ける小橋先輩。
その手はもう、肉眼では見えないほど。