貴様!何様?会長様!?
「あれー?お2人さん、夜桜デートですか?」
いつからいたのか、背後から現れた人物。
「か、克也先輩?!」
目を見開きながら驚いている吉野。
「あ、もしかして俺、邪魔した?」
「…別に」
コイツ、俺の後つけてきたな。
…とことん、趣味わりぃ。
「おい零、機嫌直せよ。ゴメンってば」
………。
「じゃ、邪魔だなんて、そんなことありませんよ!」
「華奈ちゃんありがとな。あ、髪に花びらがついて…」
――――“パシっ”
「零…?」
「会長…?」
克也が吉野の髪に触れようと伸ばした手を、俺は掴んでいた。
考えるよりまず先に、手が出てしまった。