貴様!何様?会長様!?
“お前”って呼ぶんなら、名乗った意味ないじゃない!
「…次は、あなたの番ですけど」
彼の目を真っ直ぐ見つめ、私は気が付けばこんな事を言ってしまっていた。
「は?」
驚いた様子で目を少し見開く彼を、私は変わらず真っ直ぐ見つめ続けた。
「人に名を尋ねたのならば、自分も名乗るのが礼儀でしょ?」
別に私は、この人の名前を知りたい訳ではない。
だけどあまりにも身勝手な彼の態度に、少しばかり反抗してしまった。
「…おもしれぇ事言うヤツだな」
それまで私の言葉に呆然としていた彼が、フッと笑った。
と同時に風が吹き、桜の花びらが美しく舞う。
「!!!」
桜吹雪と一緒に見た彼は、なんだかとても綺麗だった。