貴様!何様?会長様!?
「あっ、華奈ちゃん?!」
私は再び生徒会室に飛び込む。
ドアの向こうには、窓から桜を見つめる零会長の後ろ姿があった。
「零会長も、お花見したかったんじゃないですか」
窓から入り込む風が、零会長の髪を揺らしている。
「俺は花見がしたいんじゃなくて、花が見たいだけだ」
零会長は、振り返ることなくそう言う。
お花見と花を見る事は、どう違うんだろう?
私には分からないけど、少なくとも零会長にとっては何か違うんだろうな。
「零会長、私はお花見がしたいです」
私は零会長の背中に、静かに話し掛けた。
「お前仕事ないんだから、見たいならその辺で見てこい」
「はい。でも私は、みんなが見れたらいいなって思うから」