貴様!何様?会長様!?
表情ひとつ変えず言う俺に、目を潤ませるオジサン。
「ここには来んなって言ったよな、オッサン」
「だって、だってだって、愛梨沙が!!」
あーもー、面倒臭い。
ヘニョヘニョメソメソ、するんじゃねーよ。
学校で、俺の前に現れるなって言っただろが。
「仮にも理事長が、学校で愛梨沙愛梨沙言ってんじゃねーよ」
今俺の片足にしがみつくこのオッサンは、桜華の理事長だ。
そしてなにより認めたくない事実が、俺の父親だと言うこと。
で、さっきからコイツが叫んでる“愛梨沙”とは。
染井愛梨沙(そめいありさ)、俺の母親だ。
「愛梨沙が、俺の晩御飯抜きって言うんだよ(泣)」
「…知るか」