貴様!何様?会長様!?
何かのスイッチが入ったかのように、言いたい放題だ。
ナギや咲が聞いてたら、今頃飛び掛かってるな。
と、のんきに考えてたその時…
――――“パシンッ”
?!
俺の背中にいたはずの吉野が、いつの間にか前に出て来ていた。
「っお前、何す…?!」
「取り消して下さい!」
赤くなった男Aの頬。
目を疑うが、確かに吉野の平手打ちの跡だ。
「顔だけだとか、ヘッポコだとか、桜華の恥だとか、取り消して下さい!」
男の目を真っ直ぐに見つめ、自分より数十センチ高い相手に一歩も引かない勢いで。
「零会長も生徒会の皆も、桜華の為に自分の時間を潰して頑張ってるんです!遊びたいのに、帰りたいのに、頑張ってるんです!」
何をそんな必死になることがある?