貴様!何様?会長様!?
口を開きかけたその瞬間…
「ちょ…?!」
吉野がカクッと崩れかけたのを、距離が近かったのもあり、尻餅をつく前に俺が受け止める。
「れ、零会長~~…」
先程とは打って変わって、力の抜けた声で俺を呼ぶ。
「力が…抜けちゃって」
「…何なんだお前は」
怖かったなら、黙っておけばいいものを。
それができない性分なんだろうが。
「す…すみませんでした、零会長。もう大丈夫です」
………。
「あの、会長…?」
「…これで俺が離すと思ったか?」
――――“グイッ”
「ぅにゃ…?!」
吉野を180度回転させ、腕の中に閉じ込めた。