貴様!何様?会長様!?
「咲、華奈ちゃん」
裏庭についた私達に、渚先輩が声をかけた。
「うわ、すげーじゃん!」
咲先輩が、興奮したように言う。
そこは、普段の裏庭とは違う場所のようだった。
提灯に、シートに、飲み物。
「華奈ちゃんも早く座って座って!」
「あ、はいっ」
靴を脱いでレジャーシートの上に上がった時。
……あ。
シートの隅に零会長の姿を見つけた。
私は零会長から一番遠い、小橋先輩と咲先輩の隣に座った。
月明かりと提灯の明かりが、黄色く桜を照らしていて。
少し遠くから、虫の鳴き声が聞こえてくる。
夜桜のお花見会だ。
「遅くなってすまない」