貴様!何様?会長様!?
「会長なら、あそこですよ」
小橋先輩が指差した先には、ベンチに寝転がる零会長。
…寝てる?
酔ってる?
あ、でも零会長ってお酒飲んでたのかな?
お水持ってった方がいいかな?
少しためらった末、私は零会長に近づいた。
「あの…零会長、大丈夫ですか?」
こないだのように、顔の上に本を置いている会長に話し掛けた。
零会長はこの本を読んでいるんだろうか。
「お水、いりますか?」
寝てるのかな、ってその場を離れようとしたその時、
「…いる」
って返事が返ってきた。
「あ、どうぞ…」
そう言うと零会長は、本を退けて私から水を受けとった。
いつも眠そうな零会長だけど、今はよりいっそう眠そうだ。