*♥先生の彼女♥*【完】
『菜々…ありがとう』
「優姫、さっきはごめんね…優姫の立場になったら分かるから」
菜々は顔を上げ涙を流した綺麗な瞳をあたしに向ける。
『ううん。いいの』
あたしの答えに少し戸惑う菜々。
「優姫…澤本先生に言った方がいいんじゃないかな?」
菜々は目を泳がせながらそう言う。
『ううん。言わない。これでいいの。きっとね、あたしが妊娠したって言ったら先生の人生も変えてしまうことになるの。先生には彼女がいるし、結婚…するって菜々からも聞いたじゃん?だからいいの。もう、いいの』
あたしは、ニコッと笑って見せた。
「そっかぁーそれで本当に後悔しない?」
菜々は眉間にしわを寄せて言う。
『…うん。この子がいるもん。例え好きな人が隣に居なくても、好きな人との子がいる…それだけでいい』
「今の優姫なら、きっといいお母さんになれるね!!」
菜々はにっこり笑う。