*♥先生の彼女♥*【完】
「あなた達、別れてしまったのね・・・でもきっと悠矢も優姫ちゃんの事がまだ好きだと思うわよ。だから、目を覚ましたらちゃんと伝えなさい。」
悠矢のお母さんは悠矢の事をお見通しのようにそう言った。
『はい・・・』
本当にそれならいいのにな・・・
「優姫ちゃん、暗くなる前に帰った方がいいわ。寒くもなるからね」
『はい・・・あ、いえ・・・今日はここで付き添いたいです』
あたしは、一刻も早く気持ちを伝えたいと言う焦りから出てしまった言葉。
でも、そんな事は許される事もなく・・・
「ダメよ。あなた妊婦さんなのよ?自分の体だけじゃないのよ?悠矢の事は私が見てるから大丈夫よ!また明日お見舞いにいらっしゃい」
『はい、分かりました』
あたしは渋々頷いた。
先生のお母さんは何だかうちのお母さんに似ていた。
先生のお母さんがこの人で良かった。
あたしは荷物をまとめて病室を出た。
廊下を歩いているとブーブーブーとポケットの中でマナーモードのケータイが音を立てる。
ケータイを取り出し開いてみるとお母さんからのメールだった。
あ!そう言えばお母さんあの後はぐれたままだったけど、結局病室に来なかったなー。
なんて思いながらメールを開く。
件名:待ってます
内容:今日はもう遅いから帰るよ。
駐車場で待ってます。
あたしは早歩きで駐車場に向かう。