*♥先生の彼女♥*【完】
泣きじゃくるあたしの側でお母さんがぎゅっとあたしの手を握ってくれた。
「優姫、ちゃんと見届けてあげなさい」
涙が止まる事はなかったけど、お母さんが居てくれて少し安心する事ができた。
棺に釘が打ち込まれた後、職員の人が先生をどこかに連れて行った。
次にどこに連れて行かれるか検討はついた。
だからこそ、さっきよりももっともっと悲しみの涙が頬を濡らした。
先生が火葬されている間、あたし達は、お昼のお弁当を食べて待っていた。
その間もあたしは食べ物なんてのどを通らなかった。
飲み物ですら体が拒否した。
あたしにとって、先生はすごく大事な人だった。
初めて恋を経験させてくれた人だった。
でも、先生にとってあたしは何だったのかな?
ただ、都合のいい女だった?
先生はあたしに出会って良かった?
あたしに出会ってから何か少しでも人生変わった?
後悔、してないですか…?