*♥先生の彼女♥*【完】
2時間が経ち、先生は骨だけの姿となってあたし達の前に運ばれてきた。
ついさっきまで、肉が付いていたのに。
先生の整った顔も、
スタイルのいい体も
もう、あたしの目の前にはなかった。
無残にもただ、遺骨が散らばっていた。
2人で1つの骨を拾い骨壷に収めた。
あたしは偶然にも菜々と拾う事になった。
初めての体験に少々戸惑っていたが菜々があたしの耳元で「優姫、大丈夫だから」そう囁いた。
その言葉を聞いてあたしは涙が溢れた。
あたし、あんなに菜々に酷い事したのに。
ごめんね。ありがとう。
今まで身内や大切な人が亡くなった事がなかったから人が亡くなる悲しみを改めて感じさせられた。
あたしはただただ、泣くばかり。
最後の最後まであたしは泣いていた。
今、目の前に居るのは・・・本当に、澤本先生なの?
先生はもうどこにもいないの?
まだ、お別れなんて出来ないよ・・・。
だからね、今はまだ『さよなら』なんて言わない。
この言葉を言ったら本当にお別れしてしまうかもしれないから。
まだ離れたくない。
体はもうここにはないかもしれない。
心もないかもしれない。
それでも、まだどこかに貴方はいると思うから。