だいせんそう
volume.3
夢を与える。与えられる。
私はそのどちらにも属さない。
ふと教会の椅子にかけた瞬間、そう思った。教会の椅子だけが知っている、心地よいぬくもり。
木から伝わる、独特の暖かさ。
毎日、からっぽの私を満たしてくれる。
『願わくば――――――』
というセリフを何度吐いただろう。
理想を語り、また一つ重荷が体にのしかかる。
≪だいせんそう≫と口を尖らせるたびに、私はどんどん私らしくなってしまう。
両手を合わせ、今日も、「願わくば」と唱える。どうか、どうにか、