土偶伝説
 面談が終わり、さっきの話しが何となく気になった俺は、土偶の面談が終わるのを廊下で待つことにした。薄暗い廊下は静かで、怖がりの俺は何となく落ち着かない。壁に寄りかかり、足をブラブラさせ、上履きを脱いだり履いたりしているうちに、教室から土偶が出てきた。


「里中、待ってたの?」


「あぁ、さっきの話しの続きが気になってさ」


 土偶は溜息を吐くと、廊下を歩き出しながら低い声で云った。


「話すのは良いけれど、学校を出てからの方がいいかもね」


「えっ、何で?」


 俺はすぐさまそう訊いたが、土偶はそれきり黙っていたので、結局それ以上は訊けなかった。

 廊下を歩き、階段を降りると下駄箱で靴に履き替え、校庭に出た。

 夕日がもうすぐ沈みそうである。


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