蝕む月と甘い蜜


4車線の国道は夕方の
帰宅ラッシュだというのに
それほどの混雑がなく
進んでいく。

乗らない気分が不意に抜け道を
視界に映した。

川沿いの並木道。

数日前に見た女性が
頭を横切った。


櫂斗はもう一度時計に
目をやる。

まだ時間に余裕があるのを
確認して彼はハンドルを
切った。




< 8 / 22 >

この作品をシェア

pagetop