エゴイズム☆キララ
萎縮するかと思いきや



「要ありがとう!」



何か閃いたみたいだ


キラキラした眼差しで



「美亜!イチ兄と2人で暮らそう!!」



……そうきたか



「へっ?!…イチ兄と?」



大分顔と同じサイズになった板チョコから顔を覗かせ、要と一の顔を見比べた



「ここに住むのは要が駄目だって言うから、他に家を探して住もうじゃないか!」



美亜は暫く考え込み



「…………………やだ!」



モグモグと板チョコを小さくする行為に移った



一の頭の中は、美亜の『やだ』という言葉がエコーし、背景には『ダダーン!ダダーン!!』と擬態語が浮かびそうな程ショックを受けている




「ぷっっっ」



要はその姿に堪えられなくなり吹き出してしまった




美亜にフラれた一は、まだ放心状態



「美亜は兄貴とは住みたくないんだとよ。懲りたらさっさと帰れ」



追い撃ちを掛け



「ほら、玄関はこっちだ。またな兄貴」



ショボーンと項垂れた一を摘み出した


トボトボ帰って行く一からは、ドヨーンと歪んだ物が見えたような気がした
< 113 / 450 >

この作品をシェア

pagetop