エゴイズム☆キララ


「…それだけ?」



要にくっつけていた額を放し、目線だけを上にあげた



「それだけだよ、ほらだいぶ乾いたぞ」



髪先から垂れていた水滴はタオルに吸われ、頭は半乾きになっていた



「あとはドライヤーで乾かせよ」



要は美亜の頭から手を放し、再びキーボードに向き直った



………そうだったんだ…




足りない説明を脳内で整理した



玄関開けなかったら、佐々木さんは家に入れてないって事だよね



解釈すると頬が緩んでいくのが分かった



「ほら、髪乾かしてもう寝ろ」


「ヘヘッ」



ニヘラッと笑うと「顔溶けるぞ」と言われたが、それさえも嬉しかった


また『森のくまさん』を歌いながら



「おやすみなさーい」


「ああ、おやすみ」



自室に戻った



「ヘヘッ」



美亜は溶けた顔のままベッドに入り、深い眠りについた
< 219 / 450 >

この作品をシェア

pagetop