エゴイズム☆キララ
「…それだけ?」
要にくっつけていた額を放し、目線だけを上にあげた
「それだけだよ、ほらだいぶ乾いたぞ」
髪先から垂れていた水滴はタオルに吸われ、頭は半乾きになっていた
「あとはドライヤーで乾かせよ」
要は美亜の頭から手を放し、再びキーボードに向き直った
………そうだったんだ…
足りない説明を脳内で整理した
玄関開けなかったら、佐々木さんは家に入れてないって事だよね
解釈すると頬が緩んでいくのが分かった
「ほら、髪乾かしてもう寝ろ」
「ヘヘッ」
ニヘラッと笑うと「顔溶けるぞ」と言われたが、それさえも嬉しかった
また『森のくまさん』を歌いながら
「おやすみなさーい」
「ああ、おやすみ」
自室に戻った
「ヘヘッ」
美亜は溶けた顔のままベッドに入り、深い眠りについた