エゴイズム☆キララ


………アリョッ!?



「常務は毎年研修に顔を出されているんじゃ…」



変な錯覚に陥り、興奮している隣の先輩に尋ねた



「まさか!常務はお忙しい方よ、私の時はいらっしゃらなかったわ」



美亜はうる覚えの記憶を絞り出した



「………………ああっ!!」



過去の記憶が蘇り突如声を上げてしまい、一のスピーチを遮ってしまった



「あうあう……すみません」



とてつもなく痛い視線を受け、美亜は怖ず怖ず小さい体を更に小さくした



そうだ!そうだよ!!



2年前の新入社員研修の時、予定表には常務の挨拶なんてなかったんだ






――――……
―――…



難しい話ばかりで眠気に襲われていた美亜は、頭がコックリコックリ………



「グエッ!」



後ろから急に首を絞められ、夢現に入りかけていた脳が覚醒した




危機なく振り向くと、コッソリ入って来た一が首にしがみ着いていた…――


……――――

…―――
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